クーラーガス充填

作業日2010/09/05

十何年前か忘れましたが、クーラーガスが突然抜けて全く冷えなくなりました。
修理工場に相談すると「時々そう言う事があります」と言う事でした。(なんじゃそりゃ?)
室内のエバポレーターからエンジンルームに入るパイプの繋ぎ目から白いオイルの様なものが噴き出ていて、ガスが完全に抜けていました。
工場で修理してもらったのですが、それ以来あまり冷えなくなり暑い日に乗るのがおっくうになりました。
コンデンサーの冷却不足かと思い、電動ファンを取り付けたのですが思ったほど冷えません。
というか、全然冷えません。

そこで、行き付けのガソリンスタンドに問い合せたら、今は手動で真空抜きをしたりガスを充填したりしないので補充だけしか出来ない。
それにR12ガス(旧タイプの自動車に使われていたフロンガス)は入手困難で工賃も含めて1万円くらいする。と言われてしまいました。
現在は134aと言うガスに換わっていて、R12は製造しておらず年々入手が困難になっているそうです。
他のスタンドに問い合せても似たり寄ったり。
そして、どのスタンドも「真空抜き」はしないと言う事でした。

それならば、自分でやるしかありませんね。

工具だけでも何万円もするだろうと諦めていたのですが、オークションで中古を探すと数千円で入手できそうです。
これは中国製のマニフォールドゲージ。
中古品と言う事でしたが、使用した形跡がありません。
新古品と言うものでしょうか?
ゲージ本体、ホース3本(90cm)、134a用変換コネクタ、缶切りバルブがセットになっています。
一応、これだけあれば作業は出来るはずです。
3本のホースは赤が高圧用、青が低圧用、黄色がガス注入用だそうです。
でも、色が違うだけで同じ物ですね。
缶切りバルブと134a用変換コネクタ。
バルブの形状がR12と134aで違うらしく、基本仕様はR12で変換コネクタで134aも使用可能と言う事らしいです。
缶切りバルブはR12と134a兼用だそうですが、形状が全然違うけど大丈夫かなぁ。
メーター本体。
アルミブロックの結構しっかりした造りです。
青のメーターが低圧側、赤のメーターが高圧側です。
このメーターの意味が良く分からないのですが、一番外側の目盛を使用するようです。
ガス充填(正圧)の時はkg/cm2で真空抜き(負圧)の時はcmHgの単位が書いてある目盛を読みます。
他のゴチャゴチャした目盛はとりあえず無視。(笑)
中古の真空ポンプ。
一応、動作保証の中古品と言う事でしたが、これも使用した形跡がありません。
屋外作業の必需品、アイソトニック飲料。
たまたま日替特価で買ったダカラですが、ポカリスエットでもアクエリアスでもOK。
これが無いと作業になりません。
メーターにホースを接続します。
どの程度の力で締めればよいか分からなかったのですが、手でしっかり締めたくらいで良い様です。
プライヤー等を使うと締め過ぎてパッキンが潰れてしまいました。
我が117クーペの場合、バルブは低圧・高圧ともコンプレッサーの上に付いていました。
低圧側と高圧側を間違えると大変な事になりますから、よーく配管を見て確認します。
エンジンは止めた状態です。
ガスを充填するための黄色のホースを真空ポンプに取り付けます。
ガスは入っていない状態でしたから、さっそく真空抜きを実施します。
低圧側のコックを開けて、高圧側のコックを締めます。
メーターはほぼ0(大気圧)を示しています。
真空ポンプを作動させると低圧側のメーターがマイナス側に振れて行きます。
動作音がカラコロカラコロと鳴りながらクーラー配管から空気を抜いています。
15〜20分間ほど抜きました。
76cmHg(水銀柱真空)とはいきませんが、65cmHgですからこれくらい抜ければよいでしょう。
ここで、低圧側のコックを締めて→真空ポンプの電源を切ります。
この順序を間違うと、せっかく真空にした回路に空気が戻ってしまいます。
10分ほどそのままにして、低圧側のメーターの針が動いていないかチェックします。
針が動いていたらクーラー回路のどこからか空気が漏れていると言う事ですから、作業を中断して修理に出す事になります。
幸い針は全く動きませんでした。
いよいよガス充填です。
用意したクーラーガスは「コールド12」と言うノンフロンガスです。
プロパンガスの部類になるそうで、充填が完了するまで火気厳禁です。
R12の代用品として使えて、R12よりも高性能でコンプレッサーの負担も少なくなり、湿気にも強いと言う事です。
ちなみに134aの代用品としても使えるそうです。
一般的に3本で十分だと言う事ですが、余裕を見て4本用意しました。
コンプレッサー用オイル。
左の3本がR12専用オイルで右の1本が潤滑・防錆・湿気取りの添加剤です。
実際に使用したのはオイルと添加剤が各1本ずつです。
さて、ガス缶にホースを接続するのですが、缶切りバルブの取り付け方が分かりません。
缶もバルブもオスネジで、バルブを締め込む事が出来ません。
いろいろ試行錯誤して缶のツバに取り付けて、バルブをねじ込む事が分かりました。
この状態でバルブをねじ込んで行き、ゴムパッキンで押さえ付けるだけです。
その程度でガス漏れしないのだろうかと不安でしたが漏れる様子はありませんでした。
バルブのコックを締めると針が下りて来て、缶に穴を開けます。
コックを締めた状態では穴が空いただけでガスは出て来ません。
真空ポンプから黄色ホースを外して缶切りバルブに接続します。
ここで缶切りバルブのコックを少し開きます。
黄色ホースのメーター側コネクタを少し緩めてホースに入っている空気を抜きます。
シューッとガスが漏れるので、ガスの臭いがしたらコネクタを締めます。
完全ではありませんが、これでホースの中の余分な空気が排出されました。
ここで、缶切りバルブのコックを全開にします。
低圧側のコックを締めているので、ガスはまだ入って行きません。
R12や134aは缶を正位置で充填するのですが、コールド21はガスの比重が軽いので充填中は缶を倒立(逆さま)に保持するようになっています。
また、いろいろな解説書に充填中は缶が冷えて凍傷になる危険があるので軍手をするようにと書いてあるのですが、コールド12はほとんど冷たくなりませんでした。
素手で持ってもまったく問題ありません。
ガスがメーターまで来ている状態で低圧側のコックをそっと開きます。
すると、低圧側のメーターが動きはじめました。
覗き窓には液状のガスがシュワシュワと湧き出ています。
覗き窓の液状ガスが無くなったら1本目のガス缶を取り外します。
ホースの中に空気が入らないように素速くオイル缶を取り付けてコックを締めて穴を開けます。
ゆっくりコックを緩めるとオイルが入って・・・行きません。
あれ?
はっと気付き、エンジンを始動してクーラーをONにしました。
コンプレッサーが作動して低圧側の圧力が減っていくと、徐々にオイルが入っていきます。
エンジンを掛けない状態だと、缶の圧力と低圧側の圧力が同じ位になっていて、オイルが入らないのです。
写真は正位置ですが、オイルも添加剤も缶は逆さまにして注入しました。
それが正しいかどうか分かりませんが、オイルが缶の中に残りそうな気がしたので。(汗)
メーターのコックを操作して、少しずつ入れたので問題ありませんでした。
オイルと添加剤の注入が終わったら2本目以降のガスを充填します。
写真では横に倒れていますが、全て逆さまにして充填しました。
メーターとレシーバータンクにある覗き窓で確認しながら充填していくと4本全部入ってしまいました。
ホースを外す時に多少抜けたので、実際は3本半と言ったところでしょうか。
整備書によると、適正値はエンジン回転1500rpmにおいて外気温35℃の時、低圧側8℃で3〜4kg/cm2、高圧側80℃で15〜18kg/cm2となっています。
実際はガスを4本入れた状態で、気温35℃で低圧側4kg/cm2高圧側15kg/cm2でした。
入れすぎかと思いましたが適正値ですね。
低圧側のコックを締めます。

さて、冷房効果はと言うと物凄く冷えるようになりました。
吹出し温度は8℃と今までに無いくらい冷たい空気がダクトから出て来ます。
8℃でコンプレッサーが切れました。
外気温35℃の時、室内は肌寒いくらい良く冷えます。
新車の時以来、こんなに冷えるのは初めてです。
体感ですが、パワーロスも以前に比べて少なくなったようです。
これは大正解。
レシーバータンクの覗き窓を見ると、気泡がコロコロと流れています。
コールド21の場合、気泡が完全に無くなった状態は入れ過ぎだと言う事で、これで良いのでしょう。
さて、最後にホースを取り外すのですが、低圧側の青ホースはコンプレッサーをONにしている時に取り外します。
こちらは低圧なのでシュッと言ってわずかにガスが抜ける程度です。
問題は高圧側で、コンプレッサーをOFFにして圧力がある程度下がるのを待って取り外します。
R12のコネクタはねじ込み式なので、素速く緩めないとガスがどんどん抜けてしまいます。
また、取り外す時にガスが手に当たると凍傷になる危険があるので軍手等の手袋をして作業します。
初めてのクーラーガス充填でしたが、作業手順を事前に確認していたのでスムーズに作業できました。
これで真夏でも快適にドライブする事が出来ます。