SP-No31
小規模スペースPA用スピーカー
WALL・A

2009/02/21製作

SP-No31は小規模なホールや宴会場・集会場用に製作したPA向けスピーカーです。
小型で持ち運びしやすいPA用スピーカーの製作を依頼されたので、ちょうど倉庫に眠っていた15W200(38cmウーハー)とFE138ES-R(13cmフルレンジ)を使用して製作する事にしました。

実はFE138ES-Rでサラウンド用スピーカーを製作した時から、FE138ES-Rはバックロードホーンよりもスコーカー(またはローカットしたフルレンジ)として使う方が良い音が出るのではないか?無理して高音から低音まで一発で出そうとするから、このユニットの良さがスポイルされるのではないか?と思っていました。

今回、内容積6リットルの密閉箱に入れて確信しました。
鳴らし初めこそ詰まったような上も下も伸びない音ですが、すぐに高音が伸びはじめて素直な音になりました。
心配していた中高域の癖もありません。
PA用途の15W200との組合わせがベストとは思いませんが繋がりは悪くありません。
FE138ES-Rの優秀な中高域を活かすにはローカットして小型密閉箱に入れるのも有効な方法です。

21mm厚と15mm厚のシナベニヤをそれぞれ1枚ずつ使用します。
PA用と言っても一般のスピーカーとなんら変わりません。
15W200はもともとPA向けのユニットですし、FE138ES-Rはローカットするので耐入力は高くなります。
15W200の方が能率が高いのですが、今までの経験からウーハーの能率が高い方がうまく繋がる場合が多いので、このままアッテネーター無しで組んでみる事にしました。
さっそく組立です。
エンクロージャーはそれぞれ独立しています。
FE138ES-Rは約6リットルの密閉式で、15w200は約45リットルのバスレフです。
組立っぱなしの状態にユニットを取り付けておおよその傾向を確認します。
ネットワークは6dB/octでウーハーに2.8mHの空芯コイルを接続し、フルレンジに47μF(無極性電解)と0.33μF(フィルム)コンデンサーを接続します。
クロスオーバーは480Hz前後になっているはずです。
音の傾向はFE138ES-Rの特徴がよく出ています。
15W200とのバランスも良い様です。
サラウンドスピーカーを製作した時も思ったのですが、FE138ES-Rは小型密閉箱で鳴らした方が素直で良い音がします。
サラウンドスピーカーは内容積約4リットルで、今回製作したのは約6リットルです。
バックロードの時の様な癖のある音ではなく、クリアで自然な音質です。
FE138ES-Rには中高音を受け持たせて、無理に低音を出さない方がユニット本来の良さが発揮できるようです。
ネットワークはクロスオーバー480Hz前後の6dB/octです。
コイルは2.8mHの空芯、コンデンサーは47μFの無極性電解(バイポーラ)を使用しています。
最終的には高域の過渡特性を良くするために47μFと並列(パラレル)に0.33μFのフィルムコンデンサーを入れました。
これでFE138ES-Rの高域も良く伸びるようになり、ウーハーとの繋がりも自然になりました。
エンクロージャーの乾燥とエージングを兼ねて、しばらくD-55のかわりに鳴らします。
スピード感はD-55よりも劣りますが、低音の迫力はD-55を上まわっています。
意外に定位も良く音場も広大です。
さて、PA用として使うのでスピーカーをネットで保護する必要があります。
ネット用の木枠を製作します。
ウーハー用はこんな感じ。
フルレンジ用も製作します。
接着剤が乾燥したら、軽くヤスリ掛けをして塗装します。
木枠も塗装します。
ウーハーとフルレンジのエンクロージャーはウレタンスポンジを介して連結します。
固有の振動がお互いに伝わらないようにするためです。
フルレンジを取り付けたところ。
吸音材はグラスウールを軽く詰め込んでいます。
ターミナルを取り付けてネットワークを固定し、配線します。
ウーハーの方には吸音材として古タオルをタッカーで固定しています。
PA用と言う事で、一般のスピーカーターミナルとは別にキャノンプラグも付けました。
エージング中。
ズングリムックリしていて、あまり格好良いとは言えませんが、音は良いです。
木枠にネットをタッカーで固定して行きます。
ネットは一般のサランネットでは、すぐに破れそうなので園芸用のネットを使いました。
完成。
横の穴は取っ手兼用バスレフポートです。
現在エージング中なので断定的な事は言えませんが、想像以上に自然な音で鳴っています。
バックロードホーンで使用していた時には中高域の癖に悩まされて、結局破棄したのですが、小型密閉箱で鳴らすFE138ES-Rは嘘の様に素直な音です。
典型的な山型特性で、トーンコントロールでどうにでも調整が効きます。
理想を言えばスーパーツイーターを加えたいところですがFE138ES-Rの高域が何処まで伸びるのか分からないし、アンプで高域を少し強めてやれば聴感上のバランスは取れます。
クラシックからジャズ・ロック・歌謡曲までオールマイティーなスピーカーに仕上がりました。
気に入ったので名前を付ける事にしました。

その名は「WALL・A」(ウォーラー)。
何となく「WALL・E」(ウォーリー)に似ているので。(爆)
2009/03/13
SP-No26Rに使用しているツイーターT250Dを加えてみました。
ローカットの定数は同じです。
FE138ES-Rの高域はもっと伸びるでしょうが、今の所ちょうど良い感じになりました。
PAで使用する場合は無くてもよいでしょう。