SP−No30R(138BH)

2008/12

FE138ES-Rを使用したバックロードホーン

サラウンドスピーカーの音がなかなか良かったので、バックロードホーンを造りたくなりました。
基本はFE208ES-Rを取り付けて結果が良かったD-55をダウンサイジングしたものとしました。

2008/02/05
stereo誌2月号掲載のCW型バックロードホーンについて。
FE138ES-Rの取扱説明書にはスワン型とネッシー型の図面しかなく、フロント開口のBHは発表されないのだろうと思っていました。
ところが実際には発表されていて、stereo誌2月号に掲載されるとの事でした。
で、本屋に飛んで行って目次を見てもそれらしき記事がありません。
(長岡鉄男のオリジナルスピーカー・未完成モデルをつくる「E-2」と言うのはありましたが・・・。)
結局買わずに帰ったのですが、後から「音の館」で紹介されている事を知り慌てて本屋に行くも既に売切れ。
仕方がないのでamazonで購入する事にしました。
昨日届いたので、記事を見てみると肝心の図面は最後の方に小さく載っているだけでした。(虫眼鏡が必要)
長岡さんが設計していたなら、もっと大々的に扱われているのでしょうね。

ここからが本題なんですが。
空気室やホーンの長さ、広がりは設計した人のセンスで微妙に変わるので良いとして。
スロートの絞り率が・・・これでいいんですか?
スロート面積が23.4cm(234mm)*4.1cm(41mm)=95.94cm2で補強を差し引いて約88.7cm2。
ユニットの実行振動面積が82.35cm2なので絞り率1.075倍。
Q0=0.27で1倍を超える絞り率(ユニットの面積よりスロートの方が大きい)でホーンをドライブするのは厳しいと思います。
まぁ、実際に試聴したわけではないので何とも言えませんが。

2008/03/12
鳴らし始めて2週間ほどですが、ほぼ傾向は見えて来ました。
詰まった感じは消えて低音・高音ともかなり伸びて来ました。
ボーボー・ブーブーといった共鳴音が気になります。
しかし、音場感が良く、音像一つ一つがピンポイントで定位します。
反応が良く、細かなニュアンスまで「これでもか!」と言うほど表現します。
サラウンドの音場感が自然。(これは全て同じユニットなので当然と言えば当然ですが)
これからもっともっと良くなっていきそうですね。

2008/04/14
208ES-Rと同系列のユニットとは言え、口径が違うと音の傾向もずいぶん違います。
口径が小さい分、定位や音場感は良いのですが、208ES-Rと比べて高域の伸びが今一つと言ったところでしょうか。
エージングには時間が掛かりそうです。

2008/10/15
ユニットを外して、箱は廃棄しました。
ボーボーと言うホーンの共鳴音が取れずにエージングか進むにつれて、かえって目立って来ました。
高域も素直に伸びず、詰まった感じが無くならないのです。
低域の共鳴音は箱が原因でしょう。
これは発想を変えて箱を作り直す必要がありそうです。

まずアウトラインを検討します。
138ES-RはQ0=0.27なのでスロート(ホーンの入口)絞り率は0.8〜0.7くらい。(勘)
実行振動半径=5.12cmで実行振動面積=82cm2。
カットアンドトライでスロートを20cm*3cmにすると60cm2になるので絞り率0.73。
補強とか差し引いて約0.7倍。
まぁ、こんなところでしょう。
ホーン長は250cmくらいでホーン開口部が20cm*25cm=500cm2。
空気室は約3.5リットル。(勘)
こんな感じで設計を進めてみました。
出来上がった図面。
ホーンは幅200mm一定で高さは30mm〜250mm。
ホーン長は実測2400mmくらい。
材料はシナ合板で側板だけ21mm厚、他は15mm厚。
幅の内法が200mmなので15mmで大丈夫だろうと思ったからです。
板取図。
15mm合板は1.5枚で済みました。
CW型(幅一定)ですから音道は200mmだけです。
200mm幅をいかに効率よく板取するかで材料の無駄が変わります。
15mm厚の2枚目は縦ではなく横に裁断した方が残りを有効に使えたかも知れませんね。
なお、番号は組み立て順とは関係ありません。
相変わらず部材が多いですね。
こちらは側板と裏板。
側板は21mmサブロク板を4分割します。
奥行450mmですから少し余りますが、鋸目の幅を差し引くとほとんど残りません。
コーススレッドの細い物がありました。
15mm同士の接合には35mmで丁度良く、ネジが細いので木口にねじ込んでも割れる心配がありません。
今回はこの木ネジが大活躍しました。
今回、新たに購入した工具。
これだと何とかくり抜く事が出来ました。
各音道の補強材を先に貼り付けます。
裏板にもあらかじめ補強を貼り付けておきます。
手順を確認しながら音道を組んで行きます。
仮組みしているところ。
まだ側板には接着していません。
部材の間違いや組み立てミスが無いかここでチェックします。
D-55みたいですね。
ターミナルは手持ちの物を使いました。
貫通型なので、組み立ててしまったら取り外したり修正したり出来ません。
ケーブルの交換も不可能です。
音道全体を組み立てて行きます。
順序を間違えると木ねじで固定できなくなるので良く確認しながら組み立てて行きます。
音道の接着剤が乾く前に側板に取り付けます。
ここはスピードが勝負。
音道の接着剤が乾いてしまうと側板に乗せた時に歪みの修正が出来ません。
どんなに正確に音道を組み立てても微妙な歪みが生じます。
それをそのままにして乾燥させると側板に密着しなくなり、空気漏れの原因になるのです。
もう片方の側板も乾燥する前に貼り付けます。
プレスや端金があればここで圧縮しますが、私はどちらも持たないので歪みを修正しながら木ねじで締め付けます。
ここまで組んでしまうと修正は出来ません。
後は乾燥を待つだけです。
さて、接着剤が乾燥したらユニットを取り付けます。
手順はいつも通り、爪付きナットを締め付けて食い込ませます。
後はケーブルをハンダ付けしてパッキンをはさんで付属のネジで固定します。
空気室には底の方に1枚だけグラスウールを入れました。
今回付属していた六角レンチは1個だけ使用可能でした。
もう1個はネジに入らず使用できませんでした。
製品のばらつきにしてもひどいなぁ。
完成。
13cmユニットにしては大きくなってしまいましたね。
D-55との比較。
ちょうど縦半分。
うううっ、大変な事になってしまった!
ターミナルの穴の位置が少し傾いていたのでドライバーを差し込んで修正しようと回したら・・・ポロリ。
・・・・。
組み立てる前に気付いていれば・・・。
それほど力を入れたわけではないのですが・・・。
しゃがみ込んで、しばらく思案投首・・・・・。
方法としてはこれしかありません。
ターミナルを付けている板ごと切り取ります。
回し引きとノミを使って切り取ります。
新しい板にターミナル用の穴を開けて取り付けます。
隙間が出来ないように接着剤をたっぷり塗って木ねじで締め付けます。
新たに購入したターミナル。
FOSTEXのT-150Bと言うものです。
1個1780円。
外から取り付けられるプレート式にしました。
銅線が入らないのでバナナプラグを使う事にしました。
D-55をどけて138BHを設置します。
鳴らし始めは音が団子になっていて、高音も低音も詰まった感じで全然出ません。
密閉箱に入れた時と全く印象が違います。

2日目、高音が多少伸びた感じですが詰まった感じは同じです。
低音はボーボーと200Hz前後が強調されています。
いやはや、酷い音だなぁ。

3日目、どんどん変化しています。
詰まった感じが少しずつ改善されて来ました。
高音も低音も少しずつ伸びて来ました。
それでもまだまだ酷い音です。

4日目、毎日変化しています。
接着剤の乾燥が進み、板のストレスが抜けているようです。
ユニットのエージングはまだ先ですね。
しばらく様子を見てみましょう。
2008/02/09
連休を利用して下地塗りをします。
気温は低くても天候に恵まれました。

1日目。
いつものアルゴンパテでパテ処理をします。
1回のパテ処理で平滑になる事はないので、ビス穴や合板の木口、段差等を重点的に重ね塗りします。
ある程度乾いたら痩せたところに再度すり込みます。
厚くなったところは乾きが遅く、乾くと痩せるので盛り上がるくらいすり付けます
この日は気温が低かったので、室内に移動して翌日まで乾燥させました。
翌日。
パテが乾いたのを確認してサンドペーパーで余分なパテを削り取ります。
アルゴンパテは柔らかいので力を入れなくてもサクサク削る事が出来ます。
逆に削り過ぎに注意します。
パテが不十分だったところや痩せて凹んだところにパテを盛り付けます。
パテ盛りとサンドペーパー掛けを数回繰り返して、出来るだけ平滑にします。
室内に戻して、乾燥させます。
翌日。
下塗りです。
下塗りはラッカーかラッカー系ウレタンを使います。
上塗り(仕上塗り)はペイント系でも水性(エマルジョン)でも良いのですが、下地にはラッカー系を使った方が仕上がりが綺麗になります。
ラッカー系は食い付きが良く、乾燥後の塗装面が硬いのでペーパー掛け等で平滑にしやすいからです。
また、ペイント系や水性を塗り重ねても塗装面が侵されないので溶け出す事がなく綺麗に仕上がります。
今回は在庫一掃処分で在庫していたラッカースプレーを総動員しました。
生地出し仕上ではないので下地の色は関係ありませんから。
ユニット開口部とネジ穴には古新聞で詰め物をして塗料が入らないようにします。
最初はブルー。
次にグリーン。
側面はピンクにして、最後にレッド。
戦隊物のコスチュームを塗っている気分です。
塗装している本人が恥ずかしくなって来ました。(笑)
在庫が多かったホワイトを最後に塗装します。
ムラになっても良いから薄く薄く塗ります。
最初は合板が塗料を吸収するので多少厚塗りしてもタレにくいのですが、重ね塗りを繰り返すと塗料を吸収しなくなり、ちょっとでも厚くなりすぎるとダラーッとタレてしまいます。
一度タレると完全に乾かして削り取るしかありません。
これがなかなか嫌な作業なんです。(笑)
塗り重ねるうちに下の色が見えなくなって来ました。
ここでは塗膜を厚くするために塗装ごとにサンドペーパーで削る事はしません。
ある程度乾燥すると塗料が痩せて下地の不良ヶ所がはっきりしてきます。
きちんとパテを盛ったつもりでも写真の様なところがあちこちありました。
再び室内に入れてゆっくり乾燥させます。
ラッカーは一見乾燥が早いようですが、表面の塗膜が早く乾くので内部の溶剤が出にくくなり、完全に乾燥するには時間が掛かります。
また、乾燥と同時にゆっくりと痩せるので、痩せが納まってからパテ盛りしないと平滑になりません。
2008/02/23
先週(02/17)、パテを打って、ペーパー掛けまでしておきました。
で、
今週はいよいよ下地仕上に入ります。
プラサフ(サーフェイサー)を塗って、表面を滑らかにします。
プラサフを塗ったところ。
風があったので塗料を倍くらい使いました。
無風でないと塗料が飛ばされるんですよねぇ。
遠目に見ると滑らかなようですが、まだまだ凸凹があります。
気温が低く、パテが乾かないので室内でパテを打ちます。
翌日は大荒れの天気。
塗装は無理にしてもペーパー掛けくらいは出来るだろうと作業を開始するも、雪がパテの上に降って来て片方終わった時点で作業中止。
水性パテなので雨も雪も大敵です。
白く残っている部分は凸凹がある所。
まだまだあるなぁ。
2008/03/02
天気も良く、気温も温暖で塗装には最適な1日になりました。
自動車補修用のウレタン塗料を箱1台につき2本使用しました。
ソフト99/T-192 トヨタ製ダークグレーマイカM/1E2と言うメタリック色です。
最後にクリアーを吹き付けて屋外作業は終了。
ホーンの内側はカーボンブラック(つや消し黒)をハケ塗りしました。
最後にコンパウンドで磨いてワックス(自動車用)を掛けて塗装作業は完了です。
いよいよスピーカーユニットを取り付けます。
底に1枚だけグラスウールを入れます。
ユニットを取り付けます。
完成。
正面の面積がD-55の半分なので、とてもスリムに見えます。

材料費は15mmシナ合板が1枚5800円(税込)、21mmシナ合板が1枚8100円。
サラウンド用と合わせて15mmを2枚使いましたから合計で19700円。
合板は以前に比べると随分高くなったような気がします。
接着剤や爪付きナット等で3000円位。
ターミナルが1個1780円で3560円。
塗料は自動車用のウレタンを使用したのでプラサフ6本とダークグレーマイカMが6本。
1本810円だったので12本で9720円。
ユニットを別にして合計35980円かかりました。(サラウンドSP含む)
スクリーンの横に設置するとスリムなので邪魔になりません。
このスリムさは良いですねぇ。
エージングがある程度進むまで主役交代です。
ごめんねD-55。

塗装しただけなのに、音質はずいぶん良くなりました。
時間が経過して接着剤が乾燥したのと木材のストレスが抜けて箱のエージングが進んだのだと思います。
まだ低音はボーボー言うし高音も伸びきっていませんが、時折ハッとするような音を出したりして将来が楽しみです。

ホーンの形を整えるためにD-55にも使用しているスポンジを加工します。
幅200mm厚さ20mmのスポンジを重ねます。
ホーンのアールに合わせてスポンジを切り、パンチカーペットを貼り付けます。
スピーカーに取り付けたところ。
少し幅を広めに造っているので、そのまま差し込むだけでしっかり固定できます。

低音のボンつきが大幅に減りましたが、低音そのものの量感も減ってしまいました。
しかし、これはD-55でも経験済みで、エージングが進むにつれて良質な低音が出て来るようになるでしょう。
日に日に音が良くなっていますが、ある程度落ち着いてからコメントしたいと思います。
2008/03/09
サランネットを製作します。
ユニットのフレームは厚さが10mmほどなので12mm*24mm*1800mmの角材を使用しました。
材質は堅木でなければ何でも結構です。
1800mmは定尺(規格)なのでこれから縦横8本取れるように長さを調節しました。
コーン紙を保護できれば良いので大きさは適当です。
組み立て完了。
本来なら四隅に三角形の補強材を入れると良いのですが面倒だったのでビス止めと設着を併用して補強しました。
完成した木枠をつや消し黒で塗り、乾燥したらネットをホッチキスでシワが出来ないように留めて行きます。
この時、ネットを引っ張り過ぎると、ネットの張力で木枠が歪んでしまうので注意します。
逆に木枠が歪んでいたら、ネットの張力を利用して歪みを修正する事も出来ます。
ネットは木工ボンドで固定します。
ボンドを指でネットの下に浸透するように擦り込みます。
特にコーナーは生地が重なるので多めに擦り込みます。
ある程度乾いたら、ホッチキスの針を抜き取ります。
余分な生地をカッターで切り取ります。
コーナー部分は乾きにくいので乾燥するまで待って切り取ります。
生地を剥ぎ取ると塗料も一緒に剥げたりするので、部分補修して完成。
サランネットの四隅にのり付きマジックテープを貼ってスピーカーに固定します。