トーンアームを交換する

2012/05/11

GT-2000L純正アームYA-39を
オーディオテクニカAT1503Vaに交換する

さて、どうしたものか。
YA-39(純正トーンアーム)を可能な限り改造して、それなりの成果は得られたと思っています。
しかし、改造は所詮改造。
キャビネットの造りも良く、ターンテーブルは重量級。
トーンアームがもっと良くなれば音質も良くなるのでは…。

と、言う訳でトーンアームを取り換えてみることにしました。
前提条件として、新品購入が可能であること、国産であること、無改造あるいはほとんど改造せずに取り付けられること、で探してみるとなかなか納得できるものがありません。
実はオーディオテクニカAT1503Vaがほしかったのですが、AT1503Vaは発売されて10年を経過していますから新品で入手するのは不可能だろうと諦めていました。
しかし、中古品を購入する気はありません。
トーンアームのようなデリケートな製品は中古で良い状態を保っている物はほとんど無く、中古品を購入するのはギャンブルだからです。

そこで、AT1503Vaの新品(または未使用品)を求めてネットを探しているとサウンドHと言うショップに新品がありました。
定価より若干安い値段で出ていました。
さっそく購入。
いよいよGT2000Lのトーンアームを取り換える時が来ました。

03/19
サウンドHから送られてきたAT1503Va。
立派な箱に入っています。
おぉ、なんとリッチな内容でしょうか。
ちょっと成金趣味っぽいですね。(笑)
アームなどにうっすらとホコリが付着していたと言うことは、長い間陳列されていたのでしょう。
さっそく内容物をチェックすると・・・。
あーーーーぁ!
インサイドフォースキャンセラーが折れていました。
ショップに問い合わせると「発送する時点で破損は無かったので輸送中のトラブルだろう」と言っていました。
さっそくショップに返送してメーカーに送ってもらうことにしました。
新品交換したくても、新品が無いのでメーカー修理に頼るしかありませんでした。

なぜ折れたのか検証してみると、アーム本体を箱に入れるとき、下側に位置するインサイドフォースキャンセラーの棒が真下を向くことが分かりました。
つまりアームをそのまま箱に入れると、棒が下に突き刺さる格好になり、アーム全体の重量が棒に集中するのです。
なるほど、これでは棒が折れるはずです。
アームを箱に入れるとき、棒に手を添えて水平に寝かせた状態で入れる必要がありました。
メーカーも梱包時に気付かなかったのでしょうか。
04/07
そんなこんなで、紆余曲折ありましたが、幸いメーカーに補修部品があったので、無事修理できました。
さっそく箱から出してチェック。
EQアンプがバランス入力なのでCEC純正のバランス接続対応フォノケーブルを購入しました。
差し込んでみました。
直径は規格なのか、まったく同じです。
差し込み式のトーアームを使うのは今回が初めてです。
さて、実際に取り付けるには専用のベースを制作しなければなりません。
そこで、オークションに各種アームベースを出品している出品者に問い合わせてオリジナルのベースを制作してもらうことにしました。
まず、純正の取り付け穴を基準にして厚紙で型板を作ります。
トーンアームの取り付け穴の位置を決めます。
ボールペンをコンパス代わりにしてアームの支点を描きます。
この位置にトーンアームを取り付ければ良い事になります。
記載している数字は暫定で最終決定ではありません。
型紙と現物合わせで最終的にこの寸法で発注することにしました。
10mm厚の鉄板を使用します。
仕上げは純正と同じシルバーにしました。
04/30
依頼していたベースが届きました。
指定通りの仕上がりです。
純正のトーンアームと比べても違和感の無い仕上がりです。
型紙で確認すると、アームの位置もほぼ基準値通りになっています。
ベースを固定して、アームの位置を決めます。
ターンテーブル中心から15mmのオーバーハングでアームの位置を確定します。
アームベースを固定する3か所の穴をオリジナルベースに開けます。
10mm厚の鉄板なのでビットが過熱しないようにオイルを注しながら切り開けます。
オイルは余ったエンジンオイルを使いました。
4mmタップを立てますから3.2mm径のビットを使用します。
4mmのタップ。
3つの穴それぞれに4mmのタップでネジを切ります。
ネジを切ったところ。
ネジを入れて確認。
トーンアームを固定してみます。
何とかうまく納まりました。
さて、フォノケーブルは上から出すのではなく、キャビネットの下に穴を開けて出すことにしました。
ベースに溝を切って無理に上に出しても強度が落ちるだけで無意味だと思ったからです。
左の印がコネクタの直下ですが、この位置はキャビネットの厚みが一番厚い所になり、ケーブルを出す隙間がありません。
そこで右の印に斜めに穴を開け、ケーブルを出せるようにしました。
コネクタの径より少し大きい穴を開けます。
ケーブルを出して・・・。
トーンアームに接続して固定します。
このトーンアームはメインウエイトでバランスを取り、反対側にあるサブウエイトでカートリッジに荷重をかけます。
アームにグラム表示の溝が刻んであり、その溝にサブウエイトを合わせるだけのシンプルな構造ですが、針圧計でチェックしてもほとんど誤差が無く正確なものでした。
アーム本体は非常に敏感で、メインウエイトをちょっと移動させただけでアームが上がったり下がったり。
水平にするのに苦労しました。
やっと音を出せるようになったと思ったら、アクシデント発生!!
AT-OC9/Vの針を飛ばしてしまいました。(号泣)
純正アームでは引っ掛からなかった指置きに針が引っ掛かり、折れてしまいました。
アームの支点が純正よりも手前に来ていて、カートリッジの針が指置きに当たるようです。
今後注意しないと再度飛ばしそうです。

針交換価格をショップに問い合わせると、どのショップもほぼ定価で、新品購入よりも高くなってしまいます。
仕方がないので新品で購入することにしました。
痛い出費です。
AT-OC9/Vが届くまで暫定的にAT-F3/Uを使うことにしました。
はやる気持ちをおさて慎重に調整します。
今まで、どちらかと言うと繊細だけど押しが弱いAT-F3/Uがガンガン押してくるではありませんか。
さらに粒立ちがよく楽器の一つ一つが際立っています。
アナログディスクを再生するうえでトーンアームは重要なファクターですから、ある程度の変化は期待していましたが、期待以上の改善です。
これが、まともなトーンアームの音なのか・・・。
さて、いくつかの懸案を解決していきます。
AT1503Vaは取り付け穴に傾き調整用の穴あきナットが付いています。
ネジを緩めてこのナットをくりくり回すとベースが上下して傾きの調整ができるというわけです。
しかし、ターンテーブルと同一平面上に取り付けるので傾きの調整は必要ありませんし、ベースが浮いた状態になるので取り付け強度が弱くなるような気がします。
このナットはベースの厚みよりも長くて、ベースを密着させようとすると不必要にネジが飛び出してしまいます。
そこで、ネジをベースより短くしました。
これでベース同士が密着するようになりました。
二つ目はアームレストです。
これはキャビネットに穴をあけて取り付けるタイプなので、取り付けるかどうか躊躇していました。
キャビネットに傷を付けたくないので、10mm厚のゴム板を2枚重ねて台形にカットしてアームレストの代わりに使ってみました。
簡単で使いやすいのですが、どうしても納得できません。
トーンアームの取り付けが完了し、聞けば聞くほど純正アームと比べて、あらゆる面で優れていることが分かりました。
おそらく純正アームに戻ることは無いと思い、アームレストを取り付ける決心をしました。
GT2000Lはキャビネットが極厚で、貫通させることは不可能です。
かと言ってねじ込むには長すぎます。
そこで、ネジの部分を短くして接着剤を併用しつつねじ込むことにしました。
位置決めをします。
指定ではアームの支点から145mmの位置になっています。
アームを固定した時、アームの直線部分とキャビネットの縁が平行になるように位置を決めました。
意を決して穴を開けます。
これで元に戻すことは出来なくなりました。
ねじ込んだだけでは弱いので、エポキシ接着剤を併用しました。
これでガッチリ固定できました。
と同時に取り外せなくなりました。(汗)
これで純正に負けないくらい綺麗に取り付けることが出来ました。
最終的な評価はAT-OC9/Vを取り付けてからにしますが、何というかトーンアームの威力がこれほどとは思いませんでした。
今までの音は何だったのか…。
もっとも、これで世間(アナログマニア)では普通の音になったのでしょうね。
AT1503Vaはそこそこ売れたアームだと聞いているのですが、ネット上での評価がほとんど無いのでどれほどの実力なのか知る由もありません。
世間で名器と言われるトーンアームだと、また違う世界が見えるのでしょうか。
うーん、興味は尽きませんね。
5/11
注文していたAT-OC9/Vが届きました。
さっそく取り付けて試聴しました。
まぁ、何と言いますか・・・気持ちの良い音ですね。
コメントはこれ位にしておきます。手前味噌になりそうですから。
さて、いろいろと改造した純正トーンアームをノーマルに戻します。
接着剤で固めたり、パテで埋めたりして元に戻せない部品は廃棄します。
GT2000Lの純正トーンアームYA-39後期型に戻りました。
これはこれで美しいトーンアームなんですけどねぇ。
オートアームリフターも正常に動作します。
再び使用する事は無いでしょうが、大切に保管しておきます。